林 会 長 年 頭 の 挨 拶
  隊友会員の皆様、明けましておめでとうございます。
 平成28年丙申(ひのえ さる)歳の新春をご家族共々ご自宅、ご実家、あるいは旅先などで健やかにお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
 「丙」は明らかという意味があり、樹木の成長過程でいえば、その形が明らかになってくる頃をいいます。「申」は「呻く(うめく)」の意味で、果実が成熟して固まっていく状態を表しています。形が明らかになり、実が固まっていくとはどういうことでしょう。
  昨年、安倍政権は、大国意識を丸出しにした東シナ海における中国の挑発・違法行動に対し、同地域における力の均衡を図り、武力衝突発生の蓋然性を低めるとともに、その掲げる積極的平和主義を具体化するため、憲法9条を正面にすえた形で安全保障関連法案の国会審議に臨み、これを成立させました。また、これらに連携して、防衛関係費を前年度当初予算比2%増とし、与那国島での部隊の新編・配置、哨戒機20機の一括取得、那覇での航空団の新編など周辺海空域、島嶼部等を防衛するために必要な予算処置を行うとともに、第七艦隊の旗艦「ブルーリッジ」に2等海佐を常駐させるなど米軍との情報共有、警戒監視、あるいは共同訓練などを行い、日米の連携強化を図りました。
  これらにより、我が国の防衛体制、中でも西方防衛は新しい時代に入ったといってよいでしょう。これに加え、年末ぎりぎりでしたが、日韓基本条約から50年の節目の年に日韓の間に刺さった棘のような慰安婦問題で両政府が「最終かつ不可逆的な解決」を確認したことは一部に不満は残るものの喜ばしいことです。
 一連の政権の対応は、多くの国民が漠然と持っていた不安感の払拭を目指すものであり、国民が昨年1年間を最もよく表す漢字として、安全保障の『安』、つまり安心・安全を選んだことにも応えるものであると思います。
 我が国の将来の姿といえば、TPPについても、大変な難産の末、多くの国が賛同し、一定の結論を得ることができたことは、貿易立国としての日本の将来に一つの道筋をつけたといえます。一方、訪日外国人観光客数は、新たに指定された明治日本の産業遺産を含む数多くの世界遺産、おもてなしの心に代表される温かい受入態勢、神社・仏閣・城などに代表される日本独自の文化並びに治安の良さなどへの評価の高まりを受け、2千万人に迫る勢いで伸びるとともに、一四半期の旅行消費額についても1兆円の大台に乗せるなど観光立国としての将来性を感じさせるものとなりました。また、ノーベル賞は昨年に引き続き2人の日本人が生理学・医学賞、物理学賞の部門で受賞するとともに、半世紀ぶりの国産旅客機三菱航空機(MRJ)の初飛行の成功に加え、初めての商業用衛星の打ち上げにも成功し、使用されたH‐UAの成功率は96.5%に到達するなど日本の技術力の高さが大いに発揮された年でもありました。
  さて今年はどうでしょう、我が国は、国連加盟国最多となる11回目の非常任理事国に選出されるとともに5月には伊勢志摩サミットを議長国として主催することが決まっています。これまで我が国は『顔の見えないあるいは見えにくい国』とも言われ、その経済力に比して、発言力の低さが指摘されてきましたが、今年ほど日本の動向に国際的な注目、関心が集まる年はないと思います。この機会を生かし、わが国が『顔の見える国』として、現在形成されつつある新しい国の価値観を携えて、国内外へ更なる飛躍を図っていくことを心から期待したいと思います。
  しかしながら、良い面ばかりではなく、マンションくい打ちデータ偽装、防振ゴムデータ改ざん、化血研による血液製剤・ワクチンの不正製造など日本人がこれまで積上げてきた信頼を大きく損ねるような事件も発生しました。
  一方、元総監による陸自教範のロシア武官への提供が大きく報道されました。これは、現役自衛官、あるいは先輩自衛官が長年、地道に国内外で築き上げてきた自衛隊に対する信頼感を揺るがすものであり大変残念です。
  また、昨年も全国各地で自然災害が発生し、多くの人的・物的被害が出ました。何れにおいても自衛隊による迅速・的確な災害派遣が行われ、なかでも常総市の大水害では2日間で約7百名の住民をヘリにより救助したことに加え、電柱によじ登り、救助を待つ住民を国民の注視のもと、ヘリで見事に救助した場面は多くの人に感動と安心感を与えました。
  隊友会は今年も、県民と自衛隊の架け橋として、相互理解を更に深めるため、自衛隊及び地域社会等に対し、各種の支援・協力を行うとともに、大改編を目前にしている第14旅団を後方から支える意味でも、関係機関との緊密な連携のもと、安全保障関連法案の県民への周知、憲法改正運動への協力、あるいは各地域における各種活動への参加・協力などを積極的に推進していきたいと考えています。また、隊友会の魅力化促進のため、各支部が中心となって実施しています会員に対する福祉と親睦のための事業、なかでもゴルフ、美術展、囲碁あるいは名所旧跡のハイキングなどを積極的に支援するとともに、内容の更なる活性化に努めていきたいと考えています。
  最後になりましたが、会員の皆様、ご家族の皆様方の益々のご健勝、ご多幸を祈念して新年のご挨拶といたします。
 平成28年 丙申歳 元旦                            香川県隊友会長 林  政夫
香川県隊友会会長 11111林  政夫